時間が空いてしまいましたが、2026年2月19日(木)から23日(月)まで開催された「剣道を中心とした日本文化ツーリズム(天理大学 創立100周年記念事業)」のレポートです。
2日目 朝:講義「日本神話と剣道」

2日目の午前中は講義「日本神話と剣道」でした。
神話と剣道に何のつながりが?と思うかもしれません。
でも実は、深いつながりがあるのだと本講義を通して学びました。
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世界の神話はほとんど歴史との連続性がない。
しかし唯一、日本の歴史だけは神話と結びついている。
レヴィ・ストロース(文化人類学者)
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日本人にとって神話は、当時の精神世界の投影。
そしてその中でも、剣は神様と繋がるとても神聖なものとして扱われてきました。
日本神話では、「剣」が重要な役割を果たす
日本神話には剣が多く登場し、要所要所で重要な役割を果たします。
古代日本人にとって剣はどういう存在で、剣に対してどんな思想を持っていたのでしょう?
当時の日本人は、剣に対して三つの機能があると考えていたようです。
①新しい命を生み出す力
②邪悪なものを滅ぼしたり、避ける力
③天と地、神と人を繋ぐ力

剣の思想①新しい命を生み出す力
イザナギとイザナミという夫婦の神様が日本を創生した話では、天空から浮かぶ橋(天の浮橋)から天沼矛(アマノヌボコ)を、混沌としていた世界に突き刺し、かき混ぜ、そこから日本が生まれます。
また、イザナミは火の神カグツチを出産をする際に、大火傷をし、亡くなってしまいます。
打ちひしがれた夫のイザナギが、カグツチを剣で斬るとその飛び散った血からさまざまな神が生まれます。
剣の思想②邪悪なものを滅ぼしたり、避ける力
神聖なる剣が母を焼き殺した邪悪な火神を斬る=辟邪の機能、と言えます。
また、八岐大蛇神話や神武東征伝説では、邪神の毒気で絶体絶命だった神武天皇を救い、邪神を滅ぼした話もこの機能の表れです。
剣の思想③天と地、神と人を繋ぐ力
天と地(神と人)の隔たりがあっても、剣だけは行き来できる(繋いでいる)。
そのように考えられていたため、剣は祭器として使われていました。
三種の神器に剣が含まれているのはこのためで、剣は古来から日本人にとって神聖なものだったことがうかがえます。

2日目 午前中〜お昼:石上神宮の参拝
午前中からお昼にかけて、講義にも登場した石上神宮を参拝。実際に神剣が祀られています。
空気が澄んでいてとても気持ちの良い時間を過ごせました。

個人的に、この神話の話がすごく好きです。
ヨーロッパに住んでいた頃、どれだけ周囲の人が優しく、人に恵まれていたとしても、「どこか自分は違う」…言葉にしづらい、圧倒的な孤独のようなものを感じることがありました。
そういう時に、自分が救われたものの一つが「日本人であること」の手触りみたいなものでした。
どこの国にいても変わらない剣道の在り方や、古代からずっと剣が日本人の精神と繋がっているんだ、と思うと、それが自分の拠り所になっていたのかもしれません。





その後、天理教の本部も訪問。壮大な建物でした。あんぽ柿の出店もありました。


おすすめ書籍
刀剣や日本剣道の歴史についてもっと詳しく知りたい方には、以下の書籍がおすすめです。いずれも筑波大学の酒井利信 先生が記された書籍です。
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